最終章 結婚とその先

私たち夫婦はこれまで一度も喧嘩をしたことがない。喧嘩しない理由は色々あるが、まず第一に怒るのが苦手である。感情を爆発させることや、誰かに対してそれを向けることが得意ではない。

あとは、日々お互いの関係性について微調整していることも1つの要因だと思う。2人の中で考えるべきことがあったとき、それに対して2人で冷静に話し合う。感情的ではなく合理的に。それが喧嘩をしない理由だと思う。

同棲中も日々楽しく過ごしていたし、些細なことにも感謝するようにしていた。家事分担についてもきちんと話し合いをし、夫婦の方向性について、例えばお金についても長い時間議論することもある。それが楽しいし、お互い合理的に判断するから刺激的であるとともに、摩擦も起こりにくい。

◯同棲1年の後、結婚

同棲を始めて1年が経とうとしたとき、結婚することになる。早紀ちゃんの誕生日の日、横浜の山下公園でプロポーズをした。本人は泣いていた。結婚指輪も、これまでやってきた500円玉貯金をひっくり返してその資金にした。指輪はHASUNAというブランドで早紀ちゃんが欲しがっていた指輪だった。

そして、お父様への挨拶。早紀ちゃんからは「年金と住民税と国民保険払っていれば大丈夫だよ」と言われていた。お父様へ娘さんをください的なことを言うと、本当にそういう質問をされた。「べぇくんは年金払っているかね?」「べぇくんは国民保険払っているかね?」…晴れて結婚を許してもらえた。大変ありがたいことだと思う。

◯渡辺が考える結婚とは

この文章を書いているのは結婚してから1年立ってからだ。その中でこれまでの恋愛相談や自分の結婚生活を振り返って、結婚について色々思うことがある。それは次のようなことだ。

・結婚は夫婦2人で作り上げていくもの

結婚のイメージ、と聞かれるとどんなことを思い浮かべるだろうか。華やかな結婚式をし、親族・友人に祝われ、いつまでも幸せに暮すというイメージがあるかもしれない。もちろん、それは1つの結婚のイメージだと思う。

しかし、結婚はゴールではない。基本的には死ぬまでパートナーと一緒に居続けるし、病めるときも健やかなるときも、といろいろな壁を乗り越えていかなければならない。そんなとき、互いがどういう行動や選択をするのか。その調整を日々行わなければならない。

そして、それが2人の結婚を作り上げていく。そこにかけがえのない価値があり、結婚する意味があるように私は思う。自分たち以外の誰にも自分たちの幸せを作り上げることはできないし、そうあるべきでもないだろう。お金がある・なしも一つの価値観だがそれだけではない。子供のある・あるなしも一つの価値観だがそれだけではない。問題は物事に対する2人のコミュニケーションを常に図り、2人で一緒に歩んでいくことだと思う。

・結婚で何を大事にするのか?を明確にする

結婚における価値観は人それぞれだ。年収が高い人と結婚をしたい。安定した仕事についている人と結婚したい。それは1つの価値観だし、とても大事なものだと思う。

一方でその価値観が自分の本当の価値感なのかを見極めなければならない。例えば年収が高い人と結婚したとしても、(極端な例だが)DVをはたらくような旦那だったら、それは幸せな結婚と言えるだろうか。そういう予想される状況について、「自分はこう思う」という明確な指針と自分の性格を理解しなければ、夫婦のパートナーシップというのは難しいかもしれない。

価値観はひとそれぞれだし、私はそれらを肯定も否定もしない。ただ、自分の状況や描く結婚をきちんと観察し、自分らしくいられる状態を常に作り出すことが、より良い結婚を実現するように私は思う。

・自分らしくいられること=自由

人の本質は自由にあると私は思う。束縛や不自由を感じると人は奮起し、自由を勝ち取ってきた。それは歴史が語っている。そういった自由は結婚の中にも当たり前にあるべきだと思っている。

そして、自由とは自分らしくいられることだと思う。それは良い面・悪い面を相手が受け止めてくれるとか、なんでも気兼ねなく話せるとかそういったことも含まれるし、欠点を欠点として見ず特徴として捉える関係性も必要だろう。何を話しても良い、なんでも受け止めてもらえる間柄にこそ、自分らしさが生まれるのだ。

自分らしくいるためには、自分のことを周囲にさらけ出す必要がある。人の目を気にせず、自分は自分、と強く思うこと。思ったことは口に出したり、行動したり。その一つ一つの積み重ねが自分らしさを形成していく。一方で周囲の目を気にし、相手の気を伺ってばかりいると自分らしさはどんどんなくなっていく。

◯自分の歴史を振り返って

自分の歴史を振り返ってみたが、書いてみるといかに個性的な人生かがわかった。どうして私が恋愛コンサルタントをしているのかは、これまでの自分の歴史が紡いできた結果だと思うし、これから先もこの仕事をやり続けるように思う。きっと誰かの心に寄り添い、心のコリを解していくのだろう。

 

私が恋愛コンサルティングを通して伝えたいことは「あなたらしくいることが人生を切り開く」ということだ。自分が自分らしく生きたい。そう思った瞬間から人生が変わり始める。周囲の出来事や人間関係、仕事すら状況が変わるように私は自分の人生から強く言うことができる。自分の人生は自分にしか作れないし、そこにこそ価値がある。また、反対に言えば他人の人生に生きてはいけない。地獄があるとするなら、自分の人生を生きない、やりたくないことをやることだと私は思う。

自分らしさとは何か。それを知っているのは自分しかいない。そして、まだ見ぬ自分らしさもまた、自分にしか発見できない。私もまだまだ自分のことを知らない。だから、前に進み続けるし、常にやりたいことをやっていくのだろう。

もし、自分らしく生きられていない、息苦しいと感じているのであれば、この文章が何かを変えるきっかけだと受け取って欲しい。そうやって自分の心は本当のことを知っている。その気持ちに素直になって行動すれば、きっと自分らしさを開花させ、人生が開いていくはずだ。

◯あとがき

冒頭で書いたように自分の歴史は語らなければ表に出てこない。誰かが自分の歴史を語ってくれるなんてのは有名人ぐらいなものである。

誰しも個性的な人生を歩んでいる。こう言うと「みんなと一緒だよ」とか「普通の人生だよ」と人は言うかもしれないけど、世界中どこを探しても同じ人生を歩んでいる人はいないはずだ。そして、自分のやりたいことをやっていても、やりたくないことをやっていても、それもまたその人の人生であり、かけがえのない価値のあるものだと思う。

私が恋愛コンサルタントとして伝えたいのは、その人生の価値のように思う。誰かの望む結婚や誰かが作り出した理想の結婚をするのではなく、自分で結婚をデザインすることの意味。自分らしさとは何か。自分が描く未来とは何か。その声は必ず自分の心の中に存在する。それを掘り起こすのが恋愛コンサルタントの仕事だと思うし、何よりのやりがいだ。

私の人生が好転し始めたのは自分がそう決めたときからだった。ありがたいことに今ではやりがいのある仕事をやらせてもらっている。私の人生の経験が少しでも誰かの役に立つようであれば、これほど嬉しいことはない。